坂本龍馬が高知城下に産声をあげたのは天保6年(1835年)冬真近の11月15日。そして、後に龍馬の夢を受け継ぐことになる岩崎弥太郎が生まれたのが約一年前の12月11日。1830年代の世界の様子を見てみると、鉄道の敷設が進み、モールス信号や写真技術の発明などによって経済が活発化する一方、アメリカでは世界初の経済恐慌が起き、中国ではアヘン戦争の前夜を迎えている。  大塩平八郎の乱や米国モリソン号砲撃事件は、龍馬が2歳の時の出来事で、幼い龍馬には遠い世界の事件だが、後の龍馬の人生を思うと、「そうした星の下に生まれてきたのだ」という気がしてくる。ともかく、世界が大きく変化しようというまさにその時、ほぼ時を同じくして、土佐に2人の龍が生まれたのである。